課長さんはイジワル2
第7節 似た者夫婦
病院を出て、4年半ぶりに我が家に戻る。
台所の料理の匂い。
古くからある家の持つ独特の匂い。
すべてが懐かしい。
じぃちゃんもばぁちゃんも何も言わずに温かく迎え入れてくれる。
その晩は、久し振りに家族で円卓を囲む。
「田舎料理やけん、都会モンになった愛の口には合わんかもしれんけど……」
ばぁちゃんがグツグツと音を立てる鍋の向こう側で、具をお椀に注ぐと私に手渡す。
「ぎょぉさん食いんしゃい。お!そういや、愛は今、何歳ね?」
じぃちゃんが蔵から出したばかりの一升瓶を片手に私に尋ねる。
「23ばってん?」
「そがんなるね?早かね……。じゃ、もう酒は飲めったいね」
じぃちゃんが嬉しそうに私の分のお猪口を用意する。
「そういえば、与作兄ちゃんがおらんようやけど……?」
とぉちゃんとかぁちゃんが、顔を見合わせニヤリと笑う。
「ついにいい人ができたごたぁよ」
「ええっ?!あの与作兄ちゃんにね?」
「『あの』とは聞き捨てならんたい」
背後からの声に慌てて振り返る。
「与作兄ちゃん!お帰りなさい!」
「バカ。そりゃ、こっちのセリフたい。お帰り、愛。元気にしとったか?」
「うん!」
台所の料理の匂い。
古くからある家の持つ独特の匂い。
すべてが懐かしい。
じぃちゃんもばぁちゃんも何も言わずに温かく迎え入れてくれる。
その晩は、久し振りに家族で円卓を囲む。
「田舎料理やけん、都会モンになった愛の口には合わんかもしれんけど……」
ばぁちゃんがグツグツと音を立てる鍋の向こう側で、具をお椀に注ぐと私に手渡す。
「ぎょぉさん食いんしゃい。お!そういや、愛は今、何歳ね?」
じぃちゃんが蔵から出したばかりの一升瓶を片手に私に尋ねる。
「23ばってん?」
「そがんなるね?早かね……。じゃ、もう酒は飲めったいね」
じぃちゃんが嬉しそうに私の分のお猪口を用意する。
「そういえば、与作兄ちゃんがおらんようやけど……?」
とぉちゃんとかぁちゃんが、顔を見合わせニヤリと笑う。
「ついにいい人ができたごたぁよ」
「ええっ?!あの与作兄ちゃんにね?」
「『あの』とは聞き捨てならんたい」
背後からの声に慌てて振り返る。
「与作兄ちゃん!お帰りなさい!」
「バカ。そりゃ、こっちのセリフたい。お帰り、愛。元気にしとったか?」
「うん!」