課長さんはイジワル2
「与作にぃちゃん!」
「よぉ~考えてみろ。あのかぁちゃんの目ば掠めて貯めたとぉちゃんのへそくりやぞ。
それが、どが~~~ん大変なことか……お前にはわかるやろ」
「わかるけど……」
「与作、なんば言いよっとか!べ、別に大したことじゃなか!へそくりぐらい、朝飯前たい」
強がるとぉちゃんを横目に、1000円札で膨れ上がった封筒がずっしりと私の手の平でその重みを伝える。
与作にぃちゃんの言うことはすごく、よく分かる。
相手はあのかぁちゃんだよ?!
あのかぁちゃんの目を掻い潜って、とぉちゃんってば良くここまで貯め込んだよ……。
なんて、与作にぃちゃんと二人してしみじみと年季の入ったとぉちゃんのへそくりを見つめる。
「とぉちゃんには感謝するけど、でも……」
6,000万という金額が私を踏み止まらせる。
でも、言えない。
こんなこと……。
「それから、今朝、あのメガネから電話が来たぞ」
不機嫌そうにとぉちゃんが口を尖らせる。
「メガネって……」
「メガネちゅーたら、あいつじゃ。完敗メガネじゃ」
「カンパイ、メガネ?」
「お前んとこの課長じゃ!お前が、手術を受けるのを渋っとっけん、力ば貸してくれゆうておいに電話先で頭を下げたんじゃ」
課長がそんなこと……。
「寂しそうにしとったぞ。
あいつには何の身寄りもおらん言うとったやろが。
こんなところでぐだぐだしとらんで、はよ、帰ってやれ」
とぉちゃんはプイッと顔を背けると、茶の間に戻っていく。
「よぉ~考えてみろ。あのかぁちゃんの目ば掠めて貯めたとぉちゃんのへそくりやぞ。
それが、どが~~~ん大変なことか……お前にはわかるやろ」
「わかるけど……」
「与作、なんば言いよっとか!べ、別に大したことじゃなか!へそくりぐらい、朝飯前たい」
強がるとぉちゃんを横目に、1000円札で膨れ上がった封筒がずっしりと私の手の平でその重みを伝える。
与作にぃちゃんの言うことはすごく、よく分かる。
相手はあのかぁちゃんだよ?!
あのかぁちゃんの目を掻い潜って、とぉちゃんってば良くここまで貯め込んだよ……。
なんて、与作にぃちゃんと二人してしみじみと年季の入ったとぉちゃんのへそくりを見つめる。
「とぉちゃんには感謝するけど、でも……」
6,000万という金額が私を踏み止まらせる。
でも、言えない。
こんなこと……。
「それから、今朝、あのメガネから電話が来たぞ」
不機嫌そうにとぉちゃんが口を尖らせる。
「メガネって……」
「メガネちゅーたら、あいつじゃ。完敗メガネじゃ」
「カンパイ、メガネ?」
「お前んとこの課長じゃ!お前が、手術を受けるのを渋っとっけん、力ば貸してくれゆうておいに電話先で頭を下げたんじゃ」
課長がそんなこと……。
「寂しそうにしとったぞ。
あいつには何の身寄りもおらん言うとったやろが。
こんなところでぐだぐだしとらんで、はよ、帰ってやれ」
とぉちゃんはプイッと顔を背けると、茶の間に戻っていく。