課長さんはイジワル2
私、課長とこんな二人みたいな素敵なカップルになりたい。
じんわりと涙が込み上げてくる。
「ありがとう。とぉちゃん、かぁちゃん。
手術、受けるよ。
でも、大丈夫だから。
自分でなんとかするから。
だから、このへそくりは二人に返すね。
二人で旅行にでも行って?」
「へそくりて……なんね?あんた、この包みは!!」
かぁちゃんの目がくわっと見開かれ、とぉちゃんのへそくりの入った封筒に集中する。
「お前こそ、なんね!300万てんなんてん、よぉそがん大金をおいの目ば盗んで……」
とぉちゃんがかぁちゃんのへそくり通帳を取り上げる。
「あっっ!!なんばすっとね!それはうちのへそくりたいね!!」
かぁちゃんがとぉちゃんの脇をクスグリ、通帳を奪回する。
もう、本当に、この二人は……。
呆れつつ、バッグを肩に掛け、玄関口に立つ。
「じゃ、行ってくる、ね?」
取っ組み合いの喧嘩を始めた二人が、一瞬、ピタリと動きを止める。
「行ってきんしゃい!」
「おお!たまには連絡ば入れろ!」
二人の今後をちょっぴり心配しつつ、家を後にする。
何度も自分自身に言い聞かせてきた言葉を、心の中で反芻する。
ダメだね、私。
何度も自分に言い聞かせて来たはずなのに、怯んで立ち止まってしまう。
今はもう、振り返らない。
とぉちゃんとかぁちゃんの想いを胸に顔を上げる。
前へ進むんだ。
そう……
前へ!
前へ!
前へ!
私は、決心を新たにし、また一歩を踏み出す。
遠くにとぉちゃんの断末魔の叫び声を聞きながら……。
じんわりと涙が込み上げてくる。
「ありがとう。とぉちゃん、かぁちゃん。
手術、受けるよ。
でも、大丈夫だから。
自分でなんとかするから。
だから、このへそくりは二人に返すね。
二人で旅行にでも行って?」
「へそくりて……なんね?あんた、この包みは!!」
かぁちゃんの目がくわっと見開かれ、とぉちゃんのへそくりの入った封筒に集中する。
「お前こそ、なんね!300万てんなんてん、よぉそがん大金をおいの目ば盗んで……」
とぉちゃんがかぁちゃんのへそくり通帳を取り上げる。
「あっっ!!なんばすっとね!それはうちのへそくりたいね!!」
かぁちゃんがとぉちゃんの脇をクスグリ、通帳を奪回する。
もう、本当に、この二人は……。
呆れつつ、バッグを肩に掛け、玄関口に立つ。
「じゃ、行ってくる、ね?」
取っ組み合いの喧嘩を始めた二人が、一瞬、ピタリと動きを止める。
「行ってきんしゃい!」
「おお!たまには連絡ば入れろ!」
二人の今後をちょっぴり心配しつつ、家を後にする。
何度も自分自身に言い聞かせてきた言葉を、心の中で反芻する。
ダメだね、私。
何度も自分に言い聞かせて来たはずなのに、怯んで立ち止まってしまう。
今はもう、振り返らない。
とぉちゃんとかぁちゃんの想いを胸に顔を上げる。
前へ進むんだ。
そう……
前へ!
前へ!
前へ!
私は、決心を新たにし、また一歩を踏み出す。
遠くにとぉちゃんの断末魔の叫び声を聞きながら……。