課長さんはイジワル2
でも、今日はさすがに緊張に体が震えてくる。


全米のダンスコンクールの大会に出て優勝した時だって、こんな風に震えたりはしなかった。


全米ダンスコンクール優勝というタイトルを引っ提げて、日本に帰国した時、

「俺の専属のバックダンサーをしてよ」

と安田からオファーを受けてから3年が経っていた。


ダンスチームを結成し、様々なコンサートで安田のバックダンサーを務めてきた。



だけど、そのコンサートの中でも、今日は特別な日。



なぜなら……



ピンポーン♪



安田だ!

はやっ!

もう着いたの?!


インターホンで答えようとして、懐かしい顔に笑みが零れる。


「押尾さん!それに、吉田さんも!!」


その二人の後ろで、安田が微笑んで手を振ってる。


急いで、自動ドアを開け、玄関の鍵を開ける。


「いらっしゃい!お久しぶりです!」


証券会社が完全に解散した後、安田は芸能界に飛び込み、吉田さんはドイツの証券会社に転職していた。


そして、押尾さんは証券会社を辞めた後、ひとめぼれした花屋さんの娘さんと結婚して花屋を継いだ。


今や、1歳の女の子のパパだ。


こうして、4人で会うのはその押尾さんの結婚式以来だから……3年ぶり?!



< 488 / 522 >

この作品をシェア

pagetop