課長さんはイジワル2
「お久し振り、愛ちゃん。いよいよ、武道館でライブか。
すげぇな、安田も愛ちゃんも……。
はい、おめっとーさん」
押尾さんが、大きな花束を私に差し出す。
「ありがとうございます。これ……私に?」
「俺が今朝、作ったんだぁ~。むさいヤローの安田にやるより、愛ちゃんにあげたくて」
「むさいは余計ですよ」
安田が笑いながら、「準備はできた?」と私に聞く。
「うん。押尾さんも吉田さんもお元気そうで良かった」
みんなでしばらくどうしていたのか、玄関で立ったまま世間話に花が咲く。
だけど、懐かしい顔の中に課長が……いない。
みんな思いは同じらしく、笑いが途切れるとしんみりと下を向く。
「でも……さ、ホント、佐久間のヤツどこに行ったんだろうな」
押尾さんがポケットに手を突っ込みながら、口を尖らせる。
「俺たちにも何も言わないで消えるってどういうことよ」
「……何か事情があったんだろ?」
吉田さんがうな垂れている押尾さんの肩を叩く。
課長が消えた本当の理由を知っているのは私と安田だけだった。
課長は何も言わずにみんなの前から去ってしまった。
私と安田は顔を見合わせる。
安田は首を振り、何も言わないほうがいいと私にサインを送る。
「行きましょう!武道館。先輩たちにはぜひ最前列の特等席で俺たちを観ていて欲しいですから!」
安田が二人の肩を抱く。
すげぇな、安田も愛ちゃんも……。
はい、おめっとーさん」
押尾さんが、大きな花束を私に差し出す。
「ありがとうございます。これ……私に?」
「俺が今朝、作ったんだぁ~。むさいヤローの安田にやるより、愛ちゃんにあげたくて」
「むさいは余計ですよ」
安田が笑いながら、「準備はできた?」と私に聞く。
「うん。押尾さんも吉田さんもお元気そうで良かった」
みんなでしばらくどうしていたのか、玄関で立ったまま世間話に花が咲く。
だけど、懐かしい顔の中に課長が……いない。
みんな思いは同じらしく、笑いが途切れるとしんみりと下を向く。
「でも……さ、ホント、佐久間のヤツどこに行ったんだろうな」
押尾さんがポケットに手を突っ込みながら、口を尖らせる。
「俺たちにも何も言わないで消えるってどういうことよ」
「……何か事情があったんだろ?」
吉田さんがうな垂れている押尾さんの肩を叩く。
課長が消えた本当の理由を知っているのは私と安田だけだった。
課長は何も言わずにみんなの前から去ってしまった。
私と安田は顔を見合わせる。
安田は首を振り、何も言わないほうがいいと私にサインを送る。
「行きましょう!武道館。先輩たちにはぜひ最前列の特等席で俺たちを観ていて欲しいですから!」
安田が二人の肩を抱く。