課長さんはイジワル2
第10節 動き出した時間
「……安田?」
な、何?
すごい音!
扉を開け奥へと足を進めると、安田が目を瞑り、片足を組んで椅子に座ってる。
テレビのボリュームをいっぱいに引き上げて、瞑想しながら集中してる。
いつから始めたのか忘れたけど、瞑想は安田の戦闘に入る前の儀式だ。
でも、こんなにピリピリしている彼を見るのは初めてかも。
私も椅子を引き、安田の前に腰を下ろす。
安田の長いまつ毛がピクピク小刻みに震えてる。
『佐久間に義理立てすることなんてないって。
愛ちゃんも気づいてるんだろ?安田の気持ち』
……気づいてた。
安田がどんなに私のこと、大切にしてくれているかも。
そして、どんなに深く愛してくれてるかも。
5年前……。
『愛を頼む』
課長からのメールを読んだという安田から何度もメールと着信があった。
辛うじて携帯に出た私が唯一言えた言葉は、
『課長…………いなくなっちゃった』
だけだった。
な、何?
すごい音!
扉を開け奥へと足を進めると、安田が目を瞑り、片足を組んで椅子に座ってる。
テレビのボリュームをいっぱいに引き上げて、瞑想しながら集中してる。
いつから始めたのか忘れたけど、瞑想は安田の戦闘に入る前の儀式だ。
でも、こんなにピリピリしている彼を見るのは初めてかも。
私も椅子を引き、安田の前に腰を下ろす。
安田の長いまつ毛がピクピク小刻みに震えてる。
『佐久間に義理立てすることなんてないって。
愛ちゃんも気づいてるんだろ?安田の気持ち』
……気づいてた。
安田がどんなに私のこと、大切にしてくれているかも。
そして、どんなに深く愛してくれてるかも。
5年前……。
『愛を頼む』
課長からのメールを読んだという安田から何度もメールと着信があった。
辛うじて携帯に出た私が唯一言えた言葉は、
『課長…………いなくなっちゃった』
だけだった。