課長さんはイジワル2
「吉田さん……」
「あいつ、今、日本に来てる。ドイツで開発した新薬の日本での認可を取るために」
「新薬?新薬って……何の?」
安田が吉田さんに詰め寄る。
「ALSの新薬だよ」
「なんで、吉田さんがそれを知ってるんですか?!」
「会ったんだよ、ドイツで」
やっぱり、課長だったんだ。
駆け出す私の前に安田が手を伸ばし、壁に手をつき、通すまいとしてる。
「それでも、ダメだ。行くな」
「安田……」
歯を食いしばってうつむく安田が声を振り絞る。
「これからコンサートなんだぞ。この日のために二人で頑張ってきたんじゃないか。
それに、みんな、待ってる。俺と杉原を……だから……」
「安田……」
「行かせてやれば?愛ちゃん、行きたがってるじゃん?」
押尾さんがドアの向こう側から姿を現す。
「お前が愛ちゃんを想う気持ちは分かるよ。だけど……」
「押尾さんに何が分かるっていうんですか?!俺がどんなに彼女を!」
「分かるさ。嫌って言うほど。なぁ?吉田?」
吉田さんの顔がかぁっと真っ赤になる。
「あいつ、今、日本に来てる。ドイツで開発した新薬の日本での認可を取るために」
「新薬?新薬って……何の?」
安田が吉田さんに詰め寄る。
「ALSの新薬だよ」
「なんで、吉田さんがそれを知ってるんですか?!」
「会ったんだよ、ドイツで」
やっぱり、課長だったんだ。
駆け出す私の前に安田が手を伸ばし、壁に手をつき、通すまいとしてる。
「それでも、ダメだ。行くな」
「安田……」
歯を食いしばってうつむく安田が声を振り絞る。
「これからコンサートなんだぞ。この日のために二人で頑張ってきたんじゃないか。
それに、みんな、待ってる。俺と杉原を……だから……」
「安田……」
「行かせてやれば?愛ちゃん、行きたがってるじゃん?」
押尾さんがドアの向こう側から姿を現す。
「お前が愛ちゃんを想う気持ちは分かるよ。だけど……」
「押尾さんに何が分かるっていうんですか?!俺がどんなに彼女を!」
「分かるさ。嫌って言うほど。なぁ?吉田?」
吉田さんの顔がかぁっと真っ赤になる。