課長さんはイジワル2
最終章 覚めない夢を追い駆けて
「がんばれーーー!愛ちゃん!!」
押尾さんたちの声援を背に、私は駐車場を目指した。
そして、安田から借りた車に乗り込むとちらっと時計を見る。
そう言えば課長のフライトの時間とか、吉田さんから聞いてなかった。
聞いておくべきだった。
もしかしたら、浜松町に行くよりも羽田空港に行った方がいいのかもしれない。
アクセルを踏み込みながら、額に汗が滲む。
ケータイはさっき落とした時に壊れてしまった。
通話は愚か、メールすら出来なくなってる。
どうしよう……。
すれ違ってしまうかもしれない。
不吉な予感に胸が押し潰されそうになる。
運転しながら、いつの間にか額を伝う汗を慌てて手で拭う。
赤信号に車を停めると、多くの人たちが目の前の横断歩道をゆったりと歩いて渡っていく。
『運転免許、取らないか?』
あの時の課長の言葉が蘇る。
『……冗談でしょう?』
絶対、運転なんて無理だと思った。
その私が今、こうやって運転して課長を追い駆けてる。
「はぁ……っ……」
運転席に深く寄り掛かり深呼吸する。
押尾さんたちの声援を背に、私は駐車場を目指した。
そして、安田から借りた車に乗り込むとちらっと時計を見る。
そう言えば課長のフライトの時間とか、吉田さんから聞いてなかった。
聞いておくべきだった。
もしかしたら、浜松町に行くよりも羽田空港に行った方がいいのかもしれない。
アクセルを踏み込みながら、額に汗が滲む。
ケータイはさっき落とした時に壊れてしまった。
通話は愚か、メールすら出来なくなってる。
どうしよう……。
すれ違ってしまうかもしれない。
不吉な予感に胸が押し潰されそうになる。
運転しながら、いつの間にか額を伝う汗を慌てて手で拭う。
赤信号に車を停めると、多くの人たちが目の前の横断歩道をゆったりと歩いて渡っていく。
『運転免許、取らないか?』
あの時の課長の言葉が蘇る。
『……冗談でしょう?』
絶対、運転なんて無理だと思った。
その私が今、こうやって運転して課長を追い駆けてる。
「はぁ……っ……」
運転席に深く寄り掛かり深呼吸する。