課長さんはイジワル2
「やっぱり、昨日来たんじゃないか」

「あっ、ああ~!思い出しました!

昨日は私も酔ってて……。

そう!行きました!!

でも、玄関に課長を置いてすぐに帰りましたから」


「うそ、つくなよ」


「……うそなんかついてません。

場が始まりますから、もう行ってもいいですか?」


顔を背けて部屋を出ようとドアノブに手を掛けるのに、課長はそのドアに手を付き、押し戻す。


「まだ、話は終わってないんだけど。俺が朝起きたら……床にはコップが転がってたし、水もこぼれてて……」


「課長が落としたんじゃないですか?」


「……それで今朝、鏡を見たらおれの口に口紅が付いてた。それにうっすらとだけど……覚えてる」


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