課長さんはイジワル2
「でも……課長……」

課長が私の言葉を無視して受話器を取り、客先に電話をしようとモニター電話の画面に手を伸ばす。



「……ついてます、口紅」







ゴトッ。








課長が受話器を落とす。



課長は手の甲を口に当て、口を隠すと、慌ててイスから立ち上がる。


「すぐに戻るから!客からの電話、取っといて!」


課長の動揺しまくった顔が可愛くて、思わず吹き出してしまう。


「お前なぁ~……」


課長はコツンと私の頭を小突くと、急いで部屋から駆け出していく。


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