課長さんはイジワル2
由紀ねぇが妊娠している上に、子供達がまとわりついて大変だからと、私が急いで玄関の扉を開ける。

「早かったですね、佐久間課……」

扉が開いて、ハタと目が合った瞬間、佐久間課長がすごく驚いた顔をしている。

「どうしたんですか?」

「いや。杉原かと思ったもんだから……」

「『杉原』ですけど?」

「お前の方じゃない。似てるんだよ。お前達、声が」


すごく気まずそうな顔をしてる。


佐久間課長?



なんかいつもと違って歯切れが悪くて、調子が狂う。



佐久間課長は私にお土産を渡すと、出されたスリッパを履いてリビングの扉を開ける。


「いらっしゃい!佐久間主任!本当にお久し振りです!」


由紀ねぇが末っ子の歴を抱っこして佐久間課長を迎え入れる。








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