課長さんはイジワル2
「ひどい!」

課長にこぶしを振り上げながらも、どこかで安田が見ているような気がして、警戒してしまう。



「どうした?やっぱりどこか変なんだけど……」



課長が私の手を握る。


慌てて、その手を振り払う。


「愛?」

「あ、電車、来ましたよ!ほら!」


解いた手で、丁度、入ってくるロマンスカーを指差す。


ほっとして、急いで電車に乗り込む。


課長と並んで座ったところでようやく肩の力が抜ける。


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