課長さんはイジワル2
「愛に謝らなくちゃいけないことがある」


ロマンスカーに乗り込み、荷物を上に上げて、落ち着いたところで課長が話を切り出す。


「謝る?」


「日帰り露天風呂を予約しようとしたんだけど、うまく時間帯が取れなくて1泊になった」


「あ……。あの……1泊って……」


泊まるの?

課長と一緒に?

全く考えもしていなかった状況に、心臓が不規則に乱れる。


「もし愛が嫌だって言うんなら、このまま一緒に帰っても構わない」


ひじ掛けに置かれた私の手に課長の手が重なる。


「俺としては一緒に行きたいけどね」

「課長……」


課長の私を握る手に力がこもる。


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