叶う。 Chapter3
私はぼんやりとする意識の中で、自分の無力さと子供じみた考えを見つめ直した。
どうして双子の父親は私を殺さなかったのか。
その理由はきっと誰にも分からないんだろう。
だけれどひょっとしたら、結さんを殺した罪悪感なんじゃないか、と一瞬考えたけれど、それは違う気がする。
双子の父親はそんな甘い事を考えるような人間じゃない。
だったら私はなぜ、生かされたのか。
こんなにも苦しいのなら、いっそのことあの日殺されてしまえば良かった。
結さんがもし生き返るのなら、代わってあげたい。
だけれどそれはもう叶わぬ願いだ。
だったら私には何が出来るのだろうか。
お父さんとママ、そしてシオンとレオン、和也にも私は何をしてあげられる?
もう誰かが傷つくのは見たくない。
それなら私はどうするべきなのか……
私の存在が、無くなれば良いのかもしれない。
大切な人を失う事はとても悲しくて辛いこと、だけれどそれは時間が解決してくれる。
だったら私は、これ以上誰かに迷惑を掛けるよりも、私の存在自体を消してしまった方が良いんじゃないかと思う。
きっと皆、心配したり不安になってしまうかもしれないけれど、それは一時的なもので、きっと時間が解決してくれるはずだ。
私はそんな事を考えながら・・・
・・・・泣き疲れていつの間にか眠りに落ちていた。