叶う。 Chapter3




「あの女はいいぞ、何より賢いし、スタイルは良いし美人だしな。お前が要らないなら俺の付き人と交換するか?」


お父さんはにやりとして、楽しそうにそんなことを言う。

お父さんの言葉に私は首を振った。
レオンがそう言ってくれているのなら、きっとみやさんはとてもいい人なんだと思ったし、何よりお父さんの不適な笑顔はきっと本気で自分の付き人と交換したいんだろうと思ったからだ。

お父さんも一応男性である事には変わりないし、みやさんの貞操を守らなければと、なぜかそんな想像をしてしまった自分が少しだけ悲しかった。


「まぁ、付き人って言ったって別に何する訳じゃない。一応俺の家に居る限りはお前は世間からしてみたらお嬢様なんだよ。だから誘拐だとか面倒くせぇ事がないように、身を守らなきゃなんねぇんだ。嫌なら数メートル離れて歩けって言えば良い。」


お父さんはそう言ってまた私の頭を優しく撫でる。


「特にお前は普通じゃない。またいつ何処で倒れるかなんてわからねぇんだ。あの女は医師免許も持っていてな、お前に付けるにはこれ以上なくうってつけなんだよ。だから我慢するんだな。」


「・・・・はい。」


私はお父さんの言葉に少し驚いた。
みやさんは医師免許を持っていると、お父さんは言っていたけれど、どう見ても20代そこそこにしか見えない彼女がなぜ医師免許なんて持っているんだろうか。




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