叶う。 Chapter3
みやさんはここの家政婦さんと違ってよっぽど話しやすい。
それは多分、雰囲気と人間らしさがあるからだと感じた。
何でもない景色の様子を話してくれただけだけれど、あの機械みたいな喋り方をする家政婦さんよりも部屋に入られても嫌な気分にはならない。
それに、みやさんは何故かあまり部屋に居ると言う気配がしない。
瞳は一重だけれど大きくて、顔は凄く整っている。
何だかモデルになれそうなくらい背も高い。
きっと170㎝くらいはありそうな気がするけれど、何故かその存在は圧迫感が一切無いのだ。
だからだろうか私はなぜか一人でぼんやりと、昨日からおかしな自分の頭の中について、日記に書こうとベッドを出て机に向かった。
引き出しを開けて日記帳を取り出した私に、みやさんは一瞬視線を向けたけれど、また直ぐに窓の外に視線を向けた。
やっぱりみやさんは、とても空気が読める人なのだとその行動で分かった。
おそらく私が日記帳を机にしまう音がするまで、みやさんは私の方を向かないんだろうと思った。
私はつらつらと、昨日から起こった出来事を全て日記に書き連ねた。
たまにみやさんをちらっと盗み見たけれど、やっぱりみやさんは此方に視線を向ける事はなかった。
私はすっかり安心して、日記帳に全てを書き終えると小さく伸びをしてから日記帳に鍵をかけて、また机にそれをしまった。