叶う。　Chapter３



だけれどいくら付き人と言っても、勿論お休みする日だってある。

それは私が１日家に居る時や、私が眠っている時なんかは美弥は出掛けたりもすると言っていたし、実際何時間か美弥が居ない時もある。

そんな時を狙って連絡をすれば済む話なんだけれど、私はなぜかそれが出来ないでいた。

ママの願い、レオンの願い、それはお父さんと美弥に私を託した事で何となく分かってしまったから。

あの２人は私が何かをしでかさないように、この状況に私を置いているのだ。

そしてシオンも、私から連絡がこない方がきっと楽なんじゃないか、と思う。
声が聴けるという甘えがあるから、私はシオンを想い悲しくなってしまう。

そして会いたくなってしまうのだ。

だけれど多分、シオンは今きっとすごく大変な状況に居るんだと思う。
あの父親の元にいるのだから、大変じゃないわけがない。

それを少しでも癒せれば、と思っていたけれどそれは自分の勝手な都合であることに私は気がついた。

シオンが本当にそれを求めるならば、きっとシオンは自分から連絡をしてくるだろうと思ったのだ。

電話をしてもいいとは言っているけれど、シオンが私の声を聴きたいと望んでいたら、きっとシオンから掛けてくる。

だけれど電話がないと言うことは、悲しいけれどシオンがそう決断しているからなんだろうと思った。







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