叶う。 Chapter3
だけれどやっぱり少しだけ寂しいので、私は先日髪をシルバーブロンドに染めて、双子と同じ深いブルーのコンタクトをすることにした。
そんな私にお父さんも美弥も笑ったけれど、とても似合っていると言ってくれたので私は暫くは、ずっとこうしていようと思った。
私はそんな事を考えながら毎日の日課である日記を書き終えると、鍵を掛けて机にしまった。
その途端、階下から大声で私を呼ぶお父さんの声が微かに聴こえてきた。
窓辺に佇んでいた美弥もその声に気がついたのか、腕時計をちらっと見るとこう言った。
「ピアノの先生が着たみたいですよ。」
私はその言葉に頷くと、部屋の扉を開けてお父さんに返事を返した。
「直ぐに行きます!」
私が振り返ると、美弥は部屋のピアノの上に置かれていた楽譜や教本を既にまとめて持ってくれていた。
「お嬢様のピアノは癒されます。」
美弥はそう言って、私の後に着いて一緒に部屋を出て鍵を閉めた。
私はパタパタと階段を降りて、お父さんが待つ玄関の前に向かった。
体調や色々とあったので、私が新しいピアノの先生に会うのは今日が初めてだった。