叶う。 Chapter3
「かなう、ちょっと太った?」
和也は私のウエストを指でなぞりながらそんなことを言う。
「・・・・・。」
身体を重ねた後は、何故かいつも気だるい。
ベッドでくっついていると、突然言われたその言葉に私は無言で寝返りを打った。
「なんでそっぽ向くの?」
和也はそんな私にそう言って、後ろから私を抱き締める。
触れ合う素肌の感触が、なぜかとても心地良い。
「・・・太ってない。」
私はぶすっとしながらそう言った。
だけれどそれは嘘で、本当は少しだけ太ってしまったのだ。
「じゃあ、俺の気のせい気のせいw」
和也はそう言って笑いながら、私の後頭部にキスをしたのがなんとなく分かった。
その言葉に私はまた寝返りを打って、和也の方を向く。
視線が合うと、和也はその綺麗な瞳で私の瞳を真っ直ぐに見つめて優しく微笑んでいた。
最近の和也は何だか急に大人っぽくなった気がする。
また背も伸びたし、女の私が言うのもおかしいけれど何だか色っぽい。
「もう少し太っても良いんじゃない?」
和也はそう言って、私の額にキスをした。
「じゃあ、もっともっと太る・・・。」
私は少しだけ不貞腐れてそう言った。
「うん、太って良いよ。」
「でも私がもしすーごい太ったら嫌でしょ?」
私は相変わらずブスっとしながら、嫌味っぽくそう言った。