叶う。 Chapter3
「嫌じゃないよ。でも、お姫様抱っこ出来ないくらいだと困るけどw」
和也はそう言ってクスクスと笑った。
「だって、結婚式の時お姫様抱っこしたいじゃん。」
和也の言葉に思わず顔が赤くなったのが自分でも分かった。
そんな未来を想像すると、何だか凄く恥ずかしい気分になる。
「じゃあ、私がすーごく太った時のために和也が鍛えておけばいいじゃん。」
私は相変わらずむくれたまま、そう言った。
「りょーかい。」
和也はそう言って楽しそうに私の頬を指でつついた。
私はそんな和也に不貞腐れてベッドの中に潜り込んだ。
つんつんと突かれる感触から、温かい掌で頬を撫でられる感触に変わった瞬間、私は何故か身体がぞくっとした。
それは怖いとかそういう感情ではなくて、私の身体が和也を求めているのだということを私は知っている。
頬から首筋へ、首筋から背中へと優しく移動するその感触に、私は微かに吐息を漏らした。
自然と顔を上げると、和也の瞳と視線がぶつかる。
私はゆっくり瞳を閉じて、和也の首に両腕を回した。
触れ合う唇が、私の心を落ち着けてくれる。
それはとても温かくて、優しくて、愛おしい。
もう何度もこうして触れ合っているのに、未だに私の胸はドキドキと、その鼓動を早める。