叶う。 Chapter3
「ど・・・どう、して?」
私は声が震えているのが自分でも分かった。
「さぁな。理由は分からん。とにかく準備を。」
お父さんはそう言って立ち上がると、未だ震えて動けない私の腕を掴んで立ち上がらせた。
私は何とか立ち上がったけれど、足元はフラフラで今にも気を失いそうだった。
美弥が慌てて私の傍にやって来たけれど、お父さんは私をしっかりと支えて美弥に手を向けて制止した。
そして私はふらつきながら、お父さんに連れられて自分の部屋に向かった。
お父さんは部屋の鍵を開けると、ふらつく私をベッドに座らせた。
そして自分もその隣に腰掛ける。
お父さんは震えが止まらない私の肩を抱くと、ぴったりと寄り添い私の頭に自分の頭をくっつけた。
途端にお父さんの体温が伝わってきて、私はほんの少しだけ落ち着きを取り戻した。
「・・・安心しろ、俺も行く。」
私が少し落ち着いたからか、お父さんは静かにそう言った。
だけれどお父さんが一緒に居たって、安心なんて出来るわけがなかった。
双子の父親が何を思って私を呼び出したのかは知らないけれど、呼ばれたということは何か絶対に裏があるのだ。
そして、それは絶対に嬉しいことじゃない。
だけれどそれを拒否することは、誰にも出来ない。