叶う。 Chapter3
私は慌てて3通の手紙を書いた。
1つはお父さんに。
1つは美弥に。
そして最後の1つは和也に。
途中何度も泣きたくなったけれど、泣いている時間はない。
私は思いつく限りの感謝の気持ちを手紙に書き綴った。
そしてそれに全て封をして、まとめて大きな封筒に入れた。
それから日記を取り出すと、いつものように今起きていることを全て日記に書き記した。
それには家族皆への私の気持ちなんかも全て綴ってある。
そしてそれに鍵を掛けると、手紙と同じ封筒に入れてそれを更に両面テープで塞いだ。
時間を確認すると、時刻はもう日付が変わるくらいの時間になっていたことに気がついた。
そろそろ、電話が来るはずだ。
私はベッドに座ると、鞄から携帯を取り出した。
途端に掌で携帯が振動する。
私はゆっくりと息を吸い込むと、通話をスライドさせてその電話に出た。
「もしもし・・・。」
“もしもし?今大丈夫?”
そう、和也はいつでもどんな時でも、私をこうして気遣ってくれる。
「大丈夫じゃないよ。」
私は少し笑いながらそう言った。
悟られてはダメだと思ったからだ。
“何で?何かあったの?”
「あったも何も、さっきいきなりお父さんが明日から仕事で海外行くからって、私も連れてくって言い出したの。」
私は呆れた口調でそう言った。