叶う。 Chapter3
私はリビングを出ると、真っ直ぐに自分の部屋に向かった。
何だか身体中がだるいし、さっきからズキズキと痛む頭が私の思考を上手く働かせてくれない。
階段を上がって直ぐにある自分の部屋は、何だか見慣れない扉の色をしていて私は急にまた寂しさが込み上げてきた。
扉を開けて中に入ると、私は忘れないように鍵をしっかりと掛けた。
お父さんと呼べと言うあの人が居なくなってしまったからか、私はまた自分が何故か一人ぼっちになってしまった気がして憂鬱な気分になった。
だけれどあんまりのんびりもしていられない。
私は机に向かうと、今日聞いた事とこの家の作りやルールなどを簡単にメモに纏めてから、ソファに置かれた貴重品を入れた旅行鞄から日記帳を取り出した。
首に下げられた鍵で日記帳を開くと、私は昨日から起こった出来事の一部始終をその日記に書き連ねる。
もしも、アンナが目覚めてしまったら、この状況にきっと堪えられないかもしれない。
だけれどきちんと記録に残して置かなければ、万が一明日目を覚ますのがアンナだという可能性が無いわけではない。
だから欠かさずに毎日の出来事を記しておかなくてはいけない。