叶う。 Chapter3
私が居なければシオンが完璧になれない理由?
頭の中でそんなことを考えながら、私は綺麗に食事を済ませた。
こんな冷め切った空気の中で自分でもよく食事を採れたと思ったけれど、私が食事を終えたのはやっぱり一番最後だった。
レオンとシオンはとっくに食事を済ませて、揃いも揃って無関心な表情をして黙ってた。
お父さんもそれは同じで、相変わらず何の感情も示さない。
双子の父親は相変わらずご機嫌な表情でワインを飲んでいたけれど、私が食事を終えるとそっとテーブルにグラスを置いた。
そしてテーブルで指先を組むと、私の方をじっと見つめた。
「君はピアノがとても上手だと、噂で聞いたんだが。」
私はその言葉にほんの少しだけ目を細めて双子の父親をじっと見つめ返した。
「是非、聴かせてくれないか?私はこう見えてもピアノが好きでね。とてもいい音色のピアノがあるんだ。」
そう言って片方の口角を上げて笑った。
「お聴き頂けるほどの腕ではございませんが。ご所望でしたら。」
私はそう言って同じように笑顔を作った。
「是非聴きたい。では、部屋を移動しようか。」
双子の父親はそう言って冷笑を浮かべた。
私はその氷のような冷たい笑顔に、一瞬だけ悪寒が走った。