叶う。 Chapter3
「それは、アンナ。君の存在なんだ。」
双子の父親は、抑揚のない声でそう言った。
シオンは相変わらず感情のない瞳を私に向け続けている。
「君という存在があることで、ジャスティンは感情を捨てきることが出来ないでいる。だから、君には死んでもらわなくてはいけない。」
突然の死刑宣告だったけれど、私はもう気にもならなかった。
死ぬことは怖くない。
だってシオンが私を殺すのだから。
きっと痛みもなく、一瞬でけりをつけてくれるはずだ。
「・・・君はとても素晴らしいね。こんな状況でも動揺ひとつ見せない。・・・・君とは別のところで知り合いたかったな。非常に残念だ。」
双子の父親はそう言って、ゆっくりと私達の元に戻って来る。
「さぁ、お喋りはもう充分だ。最後に何か言い残すことはないか?」
その言葉に私は小さくこう言った。