叶う。 Chapter3
いつ銃声が聴こえてきてもおかしくない。
私は瞳を綴じたまま家族とお父さん、そして美弥や和也達がこれから先も幸せに過ごせることを祈り続けた。
だけれど何故か、銃声はいつまで経っても聴こえてこない。
私は少し不思議に思っていたけれど、次の瞬間・・・
「・・・・・・何をしている?」
冷たく響くその声音に驚いて、思わず瞳を開けた。
見上げると、私を真っ直ぐに見つめているシオンと瞳が合った。
だけれどシオンはいつもの冷めた視線のまま、私に向けていたはずの拳銃を、何故か自分の耳にぴったりと押し付けていた。
今にもその引き金を引いてしまうんじゃないかと思うくらい、シオンはしっかりとトリガーに指を掛けている。
私は別の意味で全身が震えだすほどの恐怖を感じた。
付き人達全員がシオンのその行動に、慌てて私に向けて拳銃を構えた。
緊迫した空気が辺りに張り詰める。
一瞬の動きで、きっと沢山の銃声が響き渡るに違いないと思うと私は恐怖で身が竦んだ。