叶う。 Chapter3
「・・・・ジャック、まさかお前まで欺いてたのか?」
レオンは私に手を差し出して、父親の方を向きもせずに楽しそうにこう言った。
「欺くなんて人聞きが悪い。あんたが俺をこう育てたんだろ?」
レオンは馬鹿にするようにそう言って、動けない私の腕を引っ張るとその場に立ち上がらせた。
私は一瞬眩暈を起こしそうだったけれど、レオンは私の腰に腕を回してしっかりと私を支えてくれた。
「・・・・門を開けて表に車を。」
シオンがそう言うと、父親がこう言った。
「指図出来る立場だと?」
「じゃあ、あんたはまた跡取りを育てなきゃならなくなるだけだ。その頃にはあんたも老いてるだろうな。」
シオンの言葉に、双子の父親は悪魔みたいな笑みを浮かべた。
「・・・本当にお前には手を妬かされるよ。」
「・・・・・安心しろ、こいつらを逃がしたら跡取りとしてあんたの言うことを全部受け入れる。」
「・・・・・交換条件か。」
双子の父親はそう言うと、口角の端を上げてじっとこちらの様子を伺っている。
私に向けられたその鋭いナイフの様な眼差しに、息をすることすら忘れてしまいそうになった。