叶う。 Chapter3
その間も車は猛スピードで駆け抜ける。
それはあっという間に城門を通り過ぎ、木々に囲まれた道をただひたすらとスピードを落とさずに走り続けた。
段々と離れていくその距離に、私は今まで我慢していたものが一気に身体を抜けてしまったかのように脱力していく。
だけれどママと繋いだ手だけはしっかりと、もう2度と離さないとお互いに思っているかのように繋いだままだった。
「どうやら、追っては来ないみたいだな。」
レオンはそう言って、ふーっと息を吐き出した。
ママはその言葉に安心したのか、少しだけ手の震えが治まった様子だった。
「・・・・これから・・・どうするんですか?」
美弥が前を真っ直ぐ見据えて運転したまま、レオンに遠慮がちに尋ねた。
「とりあえず空港に、で色々用意してあるからアンナと母さんには直ぐにアメリカに飛んでもらう。美弥はこっちの都合で悪いけどまた俺と契約してもらう。だからアンナに着いてて。」
レオンはそう言ってミラー越しに私を見た。
「アンナ、元気そうで安心したよ。」
「・・・・・。」
私は何も答えることが出来なかった。
これからどうするのか、シオンはどうなってしまうのか、そんなことだけで頭が混乱している。