叶う。 Chapter3
「何も心配しなくていいよ、母さんもアリスもね。」
レオンはそう言って私達の傍にやってくると、私とママを交互に抱き締めて頬にキスをした。
「だけど気をつけて、多分シオンが手元に居る限りは親父もおかしな真似はしないと思うけど、探す可能性が無いわけじゃないから。特に母さんは見つかれば連れ戻される。」
レオンは少し早口でそう言って、二人並んで立っている私達を交互にじっと見つめた。
「・・・貴方達は大丈夫なの?ごめんね、ママが・・・。」
ママは今にも泣き出しそうに顔を歪めた。
「俺達は大丈夫だって。もう子供じゃないんだから。それに心配しなくても直ぐ会えるよ。」
レオンは何故かそう言って微笑んだ。
直ぐに会えるとは、どういう意味なのか私には分からない。
だけれどそれを聞く前に、レオンは腕時計で時間を確認すると大慌てでこう言った。
「もう行かないと、飛行機乗り遅れる!美弥、頼んだ。」
レオンの言葉に美弥は頷くと、私達を連れて空港内に急いがせた。
私は振り返ってレオンを見たけれど、レオンは直ぐに乗ってきた車に乗り込むと走り去ってしまった。