叶う。 Chapter3
“学校の駅のところ?来れるの?”
「うん、必ず行くから。約束する。だから心配しないで。」
“心配はするけど、分かった。何時頃に来れそう?”
私は少し考えたけれど、8時の朝食が終わってお父さんと話さなきゃいけないと思った。
出掛けたお父さんは何時に帰ってくるか分からなかったから、下手したら明日の朝まで顔を合わせないかもしれない。
少し時間に余裕が欲しかったので当初の待ち合わせよりも少し時間を遅らせてもらう事にした。
「ごめんね、本当急にこんな事になったからバタバタしてて。11時くらいに駅でも大丈夫?」
“11時ね、大丈夫だよ。それよりもかなうのが心配だよ。”
「私は大丈夫。」
“お兄さん、海外に行っちゃったんでしょ?絶対大丈夫じゃないだろ?”
痛い所を突いてくる和也に返す言葉が見つからなかった。
なので、私は電話を切ることにした。
「本当に大丈夫だよ。心配かけてごめんね。まだ引越しの片付け終わってないから、明日11時に駅に。」
“・・・・分かった、無理するなよ?何かあったら連絡して本当に”
「うん、ありがとう。」
私は小さくそう言って電話を切った。
とりあえず、連絡が無事に取れて良かった。
私は何だかほっとして、ソファに横になった。
それに明日和也に会えることが、ほんの少しだけ嬉しかった。