叶う。 Chapter3
/繋がり
とりあえず、無事に和也に連絡がとれたことに心から安心した。
もし連絡がつかなかったら、和也は明日あの家に向かって、守衛さんに引っ越したと言われただろう。
そしたらきっと和也は本気で通報しかねない。
私は携帯をソファの前に置かれたテーブルに置くと、そっと目を閉じた。
多分、ほっとしたんだと思う。
私はそのまま、いつの間にか意識を手放した。
……何だろ?
…………地震?
自分の身体が揺れているような気がして、私ははっと目を覚ました。
「ったく。そんな所で寝たら風邪引くだろうが!」
地震の正体は、そう言って私を揺すっているお父さんだった。
私は突然現れたお父さんに驚いて、慌てて起き上がった。
「あ……れ?鍵……」
そう、私は忘れずに鍵を閉めたはず。
「……ちゃんと閉まってたぜ。俺はマスターキーを持ってるんでな。お前が夕方から姿を見せないって言うから見に来てみたらこれだ。だからガキは嫌なんだよ。」
お父さんはそう言って起き上がった私を一瞥した。
「飯の時間だ。」
私は未だぼんやりとした意識の中、お父さんの言葉に頷くと、お父さんと一緒に食堂へ向かった。