叶う。 Chapter3





「・・・・それで、どういう事なの?」


和也は静かにそう言ったけれど、やっぱり声音は聴いたことがないくらい低い。

私は覚悟を決めて、きちんと背筋を伸ばして座りなおすと和也をしっかり見つめたまま話始めた。


「あのね昨日も言った通り、両親が離婚する事になったの。」


「かなう、さ。前にお父さん居ないって言ってたでしょ?なのにどこから現れたの、そのお父さんは。」


相変わらず鋭い和也の指摘に、一瞬戸惑ったけれどお父さんは私が娘だと言っているのだから、誤魔化すよりも素直にそれを話す事にした。


「お父さんは、ずっと居たの。だけど私はそれを知らなかったの。兄達は会いに行ったりしてたみたい。でもママは分からない。」


「それじゃあ、ママさんとそのお父さんはずっと不仲だったってこと?」


「・・・・ママからは何も聞いてないの。本当に。ただ、お父さんのところで面倒見てってママがお父さんに伝えたみたい。」


「なんで?あんなにかなうのこと大事にしてたのに、何でママさんとちゃんと話しなかったの?」


「しなかったんじゃなくて出来なかったの・・・・。」


和也の尋問に私はイライラし始めた。
私だってママと話したかった、だけど出来なかったのに、そんな風に言われると腹が立ってくる。




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