叶う。 Chapter3
そう思うと、自分がどれだけ自己中心的で醜い人間なのかよく分かった。
だからと言って、周りの意見に従って何もせずにこのまま平凡で幸せな毎日を過ごすのかと言えば、それは出来そうにもない。
それをするなら、あの時双子の父親に言われたように、大人になるまで面倒を見て貰えば良かったんだ。
そうすればお父さんに迷惑をかけることも、和也に心配をかけることもなかった。
「ねぇ、和也……。」
「うん?」
「和也は……どうしたら私を、嫌いになる?」
もう自分で考えても何も良い案が思い付かなかったので、私は和也に直接聞いてみた。
そんな私の質問に、和也はテーブルに肘をつくと手を組んで私の瞳をじっと見つめた。
「じゃあ、かなうはどうしたら、お兄さんと会うことを諦められる?かなうが言ってるのは、そういうことだよ?」
聞いた私が馬鹿だった。
そんなの無理に決まってる。
「…………。」
「そんなに簡単に諦めるつもりだったら、もう会ってないよ。でも、この前も言ったけど、俺は可能性が0だって自分が納得するまでは、退かないよ。」
「でも……それじゃ、私……どうしたら良いの?」
優柔不断で身勝手な自分自身に、溜め息を吐いた。