叶う。 Chapter3
あれは確か……
私が月島家に引き取られて直ぐの頃だった。
私はママとシオンとレオンと車に乗ってた。
途中で公園が見えて、私はその場所をじっと見つめてた。
「・・・公園行きたいの?」
シオンがそんな私に気付いてそう言った。
私はただ頷いた。
今まで、公園で遊ぶ子供達を窓から眺めることしか出来なかった。
だから私は、公園に行ってみたかった。
「あら、アンナ公園行く?」
ママはそう言って、車を停めた。
「でも一人で大丈夫かしら?」
ママがそう言ったので、私は黙ったまま頷いた。
「じゃあ、僕も行く!」
レオンがそう言って、私を連れて車を降りた。
「何かあったら電話しなさい。それとママ達は直ぐそこのお家に居るから、少し遊んだら戻ってきてね。」
「はーい。」
「レオン、ちゃんとアンナを見ていてあげてね。」
ママはそう言って車に乗って、薔薇の家に向かったんだ。
私とレオンは公園で遊んでた。
その場所は広くて、沢山の遊具が置いてあった。
だから私達以外にも子供が何人か居た。
レオンも最初は一生懸命私と遊んでくれたけれど、喋らない、感情を出さない私は、きっとレオンにはつまらなかったんだろう。
暫くすると、家に帰ろうとレオンが言った。