叶う。 Chapter3
トイレの扉を閉めると、慌てて鍵を掛けた。
こんな姿を誰にも見られたくない。
私は蹲ると、痛む頭を両手でぐっと押さえた。
あの時と一緒だ、和也が家に来たあの時と。
だけれどあまりの痛みに気が遠くなりそうだった。
同時に襲ってきた吐き気に、私は喉に指を入れて強引に中身を全て吐き出した。
吐き出さないと呼吸が出来ないほどに苦しかった。
吐き気が治まると、ゆっくり深呼吸を繰返す。
「かなう?大丈夫か!?」
トイレのドアをガチャガチャしながら、和也が慌ててそう呼びかけているのが微かに分かったけれど、私はそのままゆっくりと深呼吸を繰返した。
あまりの激痛に次第に意識が遠くなる。
ドンドンと扉を叩く音が微かに聴こえてきたけれど・・・
私はそのまま意識を失った・・・・。