叶う。 Chapter3
「ど、どうして・・・和也が居るの?」
私はあまりに驚いて、うっかり言いたい言葉を口に出してしまった。
「おい、お前は自分を助けてくれた人間に対して何言ってやがる。先に礼を言うのが筋だろうが。」
お父さんは怒った声でそう言って、目を細めて私を睨んだ。
私は毛布を鼻の上まで引っ張り上げた。
「まぁ、おじさん良いんですよ、こうしてかなうが無事だったんだから。」
和也はお父さんにそう言って笑いかけた。
私は更に意味が分からなくなって、2人の顔をちらちらと交互に見た。
お・じ・さ・ん?
和也が何故、お父さんをおじさんと呼んだのか私は全く意味が分からなかった。
「まさか、アンナの彼氏がお前だったなんてな。世間は狭いな。」
「いや、俺もまさかと思ってびっくりしましたよ。」
「・・・・。」
話に全くついていけない私をよそに、和也とお父さんは何だか仲良さそうに話を続けている。
「7、8年振りくらいか?やっぱお前良い男になったな、こんなにでっかくなって、俺も歳をとるわけだ。」
「いえいえ。そんな事ないですよ。振られたばっかりですし。おじさんは全然変わって無くてびっくりしました。」
「振られた?こいつに?」
「はいwでも諦めませんけど。」
お父さんはちらっと私を呆れた目でみたけれど、直ぐに和也に向き直った。