生成文法

概要

「生成文法」、正式には「変形生成文法(理論)」と呼ばれています。
言語学者チョムスキーが提唱者となっていますね。

どんな理論か？目的は？
単純に言えば、何故人間は言葉が話せる？理解できる？使える？という疑問への一つの答えを出すための理論です。
友だちと会話したり、本が読めたり、作文が書けたりする。一見すれば当たり前に言葉(私たちで言えば日本語ですね)を使っているけど、何故使えるのよ？ということを考えたわけです。
そこで生成文法が提案する解は、「人間(という種)は、言語を使う能力をあらかじめもって生まれてくるんだ」ということです。実に分かりにくいですよね(笑)
少し噛み砕いて言えば、「魚は、水中で呼吸ができる能力をもって生まれてくるんだ」という風になるでしょうか。もちろん、人間にとっての言語と、魚にとっての鰓呼吸とでは、その程度が全く違いますよね(笑)
たぶん、魚は鰓呼吸が出来なければ生きていけないけど、人間は言語を使う能力がなくても別に生死を彷徨うことは無いだろ！と考えた方が必ずいると思います。正しいと思います！ただ、逆に人間は言語を使う能力が生きていけないけど、魚は鰓呼吸が出来なくても別に生死を彷徨うことは無いだろ！と考えた方もいると思います。鰓呼吸が出来なくても、生涯のほとんどを水中で暮らす生物もいますし、声(音)や文字だけがコミュニケーションの手段では無いですからね(笑)
まあでも、生成文法理論ではこの普遍性を大切にしているのです。大人という定義には色々な考え方がありますが、人間は大人になれば言語を自由自在に操れるようになる。「ブーブーちゅき」と言っていた子どもが、気付けば、「僕は低燃費だし、税金も安い軽自動者が良いと思う」みたいに、複雑な日本語を使えるようになっていますからね。しかも、日本語教育なんて授業を義務教育では受ける機会はそうそう無いですから、生活している中で無意識に言葉を使えるようになっているわけです。そして、これは母語が日本語や英語に限らず、「全ての言語において共通なんだ」ということを言っているわけです。つまり母語がなんであろうと、人間は大人になれば言葉を操れるようになるわけです。故に、生成文法では全ての言語は共通しているんだ！具体的には、共通した文法があるんだ！と主張しているわけです。それを『普遍文法』と言います。極端に言えば、世界中の全ての言語を網羅した文法がある、いわばワンピースみたいな秘宝ですね(笑)それを探す旅＝研究なんです。