散歩唱歌
私は少し戸惑った、なぜなら私が人を書こうとするとそれは恐ろしい化け物の絵になるからだ。

「写真じゃないよ」

「今日はこのポーズ!」

それでも私は愉快な気分で彼女を描き始めた。

描いているとき、不意に歌が流れた。

すずしき流れ 清き風 夏こそ 野べに来たりけれ 散歩のときは 今なるぞ すごすな あだに休み日を

私は夢心地のまま鉛筆を走らせていった。

そんな時間も終わりを告げる。

私たちはまたこそこそと病院へと戻ったのだった。
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