散歩唱歌
いつもの砂浜、しかし、今日は話題がひとつ増えた。

「FDIやっつけたミステリオの動きはすごいよね!あんなに体ひねるなんて」

「そう、そして勝ったときのあのポーズ!」

二人でクロスを作り、笑いあった。

「あたしもあんな風に飛びたいな」

空を見上げて、ぽつりと彼女はつぶやいた。

そして義足の右足をパンと叩く。

「うーん、無理か!」

彼女は笑顔を作っていた、だけど私には見えたのだ、彼女が悲しんでいる顔が。

悲しそうな彼女も美しいと思うことは罪だろうか。

「それに足が治れば飛べるかもしれないしー」
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