散歩唱歌
私は病院を抜け出し、海へと走った。

誰もいない、風と月と海それだけがそのまま残っていた。

腕には、貝殻のブレスレッド。

―――そうか、僕はあの子が好きだったんだ。

それを知ったとたん、大声で泣いた。

ブレスレッドを胸に抱きしめながら。

鼻水も、涙もすべてを流しながら、心の中から泣いた。
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