殺人鬼と私2
ピンク色

「緋菜
どこか遊びにいく?」

ギュッ

そう言って抱きついてきたのは

私の彼氏の凪だ

「…い……いき…たい…な」

今まで自分の意見を言った記憶がない私は
少し
緊張しながら小さな声で言った言葉に
凪はにっこりと笑い

「どこに行きたい」

と聞いてくれた

「うーん
前までどこにも行かなかったら……
凪が決めてくれる」

そう言った私に凪は少し悩んだ表情になり
しばらくすると

「じゃあ
家を見にいこう」

「……ん?家を見る?」

「そうだよ
今の家は小さいだろ?
緋菜と住むんだったら
もう少し広い家に変えようと思ってね」

そう言う凪に

「別に今の家でも十分広いのに……
それに気になってたんだけど、凪ってお金どうしてるの?」

そう
不思議だったのだ


ここに連れてこられた時
凪には、家なんてなかったと思ってたのに一人で住むには十分なくらいの高そうなマンションだし……

凪は日中も私と一緒にいるて仕事はしてないみたいだし、でもお金には困ってなさげで
収入があるのか無いのかすら私は、知らないのだ

「お金?秘密だよ
緋菜が心配しなくても大丈夫だ」

そう軽く言われ
結局教えてくれなかった…


「今の家でも私は、別に不満じゃないよ」

「でも俺がやりたいだけだから…ダメか?」


そんな悲しい顔をされると私も断れなくなる…

「わたったよ……見に行こ?」

「あぁ」

とても嬉しそうな顔をされると私も嬉しくなるなぁ


< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop