昔の私はあなたに救われた






ちょうど火がついていて、
事務の先生がゴミを燃やしている最中だった。



「あの…。このゴミもお願いしていいですか?」



『おお、そこ置いときな。』





「はい、ありがとうございます。」




ゴミを置いて、立ち去ろうとしたとき…




『でも、一人でこんなゴミ、どうしたんだい?』




「へ?」




振り向くと、事務の先生と目があった。




『ちょっと、ここで、話さないか?』





「いいですよ。」



私は、事務の先生の隣の木に腰掛けた。





『何で、こんなにゴミがあるんだ?今は授業中だろ?』



事務の先生は、優しく声をかけてくれる。




「最近のプリントが溜まってて…」



私は、その場しのぎの嘘をつくと…





『そんなデタラメをワシが信じるとでも思ったか(笑)』



なんて、呑気に笑われた。
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