Snow Noise
「何だよこれ……」
「お、臣君っ、――!!」
駆け寄った私に目もくれず、臣君は目を丸くしたままテレビへと真っ直ぐに進む。
慌てて移動した際に落としたとみられるリモコンや灰皿をテーブルの上に戻しながら
「何で、抜けてんの……」
私が放り出したテレビのコードを手に取り、訝しげにそれをじっと見入る。
「ごめんね、―――。
リモコンが全然効かなくて、焦って引き抜いちゃったの」
だって、―――。
もの凄い音だったよね。
臣君が起きてきたことすら、私、気付かなかったもん。
「びっくりしちゃった……。
音も凄かったけど光も凄かったんだよ。眩しすぎて一瞬、心霊現象かと思っちゃった」
コンセント自体に何も異常が見つけられなかったのか、臣君は金具の先にふーっと息を吹き付け、差込口にゆっくりとそれを差し込んだ。
途端にカタカタと動き出す、複数のレコーダー機器の音。
デジタルの文字が〈PLEASE WAIT〉を表示し、しばらくするとまた時計表示に戻っていく。