美しき月を背に
私
ガチャッ
「ああ…、お嬢様おかえりなさいませ」
「爺や、今帰りました」
「食事の準備は既に出来ておりますので」
「部屋に荷物を置いてからダイニングに行きます」
「では、私はこれで」
爺やは会釈をして去っていった
爺やも、もちろんヴァンパイア。
屋敷の使用人はみんなそう。
食事は血ではなくて、普通に人間が食べるようなもの。
まあ、食べても食べなくてもいい物だけど…。
味覚はヴァンパイアにもあるから、美味しいものは食べたい、と言うことで食べてる。
まあ、血より美味しいものはなかなかないけど。
そんなことを考えつつ自室に向かうべく長い廊下を歩いた