彼女とチャラ男
逃げるが勝ち
ドキドキしてるのはきっと
チャラ男のせいなんかじゃない
突然すぎてドキドキしてるだけだ
「なぁ、俺の女に…」
「ならない」
2人だけの空間
2人しかいない校舎の裏
放課後なのに誰も来ないのはなぜ?
グラウンドから聞こえるのは部活をしてる生徒の声
……私も部活してたら
こんなことにならなかったのに
「嫌な理由は?」
「チャラ男のこと知らない。名前すら覚えてない。興味ない人と付き合う意味がわからない以上」
「…っくくく」
笑いをこらえてる
笑うところじゃないでしょう。
なんで笑ってんの
本当に意味がわからない
なんで振られてんのに余裕なわけ?
チャラ男は私の胸元あたりに人差し指を
トンとつきつけた
「な、なにすんの‼︎」
「嘘だろ? ナナは俺の事知ってる 名前も覚えてる」
まるで
心の中を見透かされたみたいだった