不器用彼女の彼氏
それを言えたら、どんなによかっただろう。
彼氏でもないのに、そんなこと言える勇気もなくて…
「辛くなったら、頼れよ」
あの時の俺が言えた言葉だった。
この日以来、彼女とは話さなかった。
廊下でたまにすれ違うことがあっても、
目が合うことすらなかった。
もどかしい。
いつしか俺の中でこんな感情が生まれていた。
話したい、
どうしてすれ違うだけなんだ?
彼女はあの日のこと、迷惑だと思っているのだろうか?
そんな思いが募っていった。