不器用彼女の彼氏


「...う、うん。そうだね...」

架歩は俺の手に手を重ね、指を絡めた。


「よくできました」

架歩の頭をポンポンとした。


一瞬のうちに耳まで赤くした架歩は、恥ずかしさを隠すように

ほら、パレード見ようよと言った。


視線をこちらから外しパレードを見ている間、

暑い、言いながらとあいている手で顔を仰いでいた。


その必死な姿が可愛くて、見入ってた...なんて言ったら今よりも顔赤くなるんだろうな。





夜になり、予約していたホテルの部屋に入った。

その場所から望む夜景はとても綺麗だった。


「先に風呂入る?」


時計の針はすでに11時を過ぎていた。


「じゃあ、そうしようかな」


少ししてから、シャワーの音が聞こえてきた。


その間に買ってきた飲み物を冷蔵庫に入れ、

テレビを見ていた。


おもむろにかばんから"あるもの"を取り出しておいた。


喜んでもらえるといいけど...


< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop