「愛」一つ下さい。
「そして、離婚」



「お父さんとお母さんな、離婚する事になったんや。」


父から聞かされた。
その時確か、私は夏休みの宿題に追われていた。

頭が真っ白になってその場で泣いてしまった私を父は何とも言えない表情で黙って見ていた。



先に言うと、私はその時の夏休みの宿題を提出する事なく、学校に行かなくなった。
今まで目に見えなくとも、確かにそこにあった「家族の絆」がこんなにも簡単に消えた事で
今の自分がしなければならない事、つまり学業に何の意味も感じなくなった。



「私の事、お父さんとお母さんは大切じゃなかったのかな?私はこんなにも2人の事が大好きなのに。」
とも思った。



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