「愛」一つ下さい。



離婚に至った経緯だが、
元々私の両親は不倫をしていた。


お互いに分かっていたが
「ゆいちゃんが成人するまでは、離婚しないでおこう。」
という話だったらしい。




離婚する少し前から母は必ず夜、家を空けるようになり、顔に傷を負って帰ってくるようになった。
しきりに、何かに怯えていた。


「外に人が居て見張られている。」
「二階に誰か居る。」

確認しても誰も居ないのに、母はずっと怯えていた。



「もしかしたら、お母さんは殺されるかも。」


母の不倫相手は、暴力団の構成員だった。
そして、その時「クスリ」をやらされていたと後で知った。


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