「愛」一つ下さい。




中学3年になった時、ふと進学について考えた。


中学1年の夏頃から行っていない学校。
勉強も何も分からない。
ただ、先生が家に毎日宿題を持ってきて
目を通すだけはしていた。


「どこでもいいから、高校に行こう」


適当に高校を決め、面接の練習を
一回だけして勉強は何もせず受験。




その時、祖母がクモ膜下出血で倒れた。


お見舞いに行く前、父に
「ばあちゃん、ゆいの事分からんかもしれん。だけど、怒らんと話してあげなよ。」
と言われ心がザワザワした。


「私のせいだ。」


病院に着くと祖母は、
「ゆいちゃん」
と私の名前を呼んでくれた。分かってくれた。



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